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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R4 Ⅲ-31

解説:H.sin氏(機械部門)

令和4年

Ⅲ-31

下図に示す速度勾配とせん断応力の関係を持つ流体A,B,C,Dの名称の組合せとして,適切なものはどれか。

①A:ビンガム流体 B:擬塑性流体 C:ニュートン流体 D:ダイラタント流体

②A:ビンガム流体 B:ダイラタント流体 C:ニュートン流体 D:擬塑性流体

③A:ニュートン流体 B:擬塑性流体 C:ビンガム流体 D:ダイラタント流体

④A:擬塑性流体 B:ビンガム流体 C:ダイラタント流体 D:ニュートン流体

⑤A:ダイラタント流体 B:ニュートン流体 C:擬塑性流体 D:ビンガム流体

 

解説

[解くために必要な知識]

 速度勾配により、せん断力が変化しない流体をニュートン流体といいます。せん断応力と速度勾配のグラフでは原点を通り直線的な流体となります。

一方で、速度勾配の影響を受けるものを非ニュートン流体といいます。

 

非ニュートン流体に擬塑性流体、ビンガム流体、ダイラタント流体などがあります。

 

擬塑性流体は、速度勾配が小さいとせん断応力が大きく出る。速度勾配が増すとせん断応力の増加量が減る。(マヨネーズ、塗料など)

 

ダイラタント流体は擬塑性流体とは逆に、速度勾配が小さいと、せん断応力が小さくなる。速度勾配が増すとせん断応力の増加量が増す。(チョコレートなど)

 

ビンガム流体は、ある程度の力を加えるまで流動しない流体のこと。(歯磨き粉など)

 

では問題を解いてみましょう。

 

 Aはある程度の力を加えるまで流動しないビンガム流体

 Bは速度勾配が小さいとせん断応力が大きいため擬塑性流体

 Cは原点を通り比例関係にあるため、ニュートン流体

 Dは速度勾配が小さい領域でせん断応力が小さいためダイラタント流体

 

よって回答は①となります。