解説:H.sin氏(機械部門)
令和4年
Ⅲ-26
金属板の片側の表面に樹脂フィルムを貼ることで断熱性能を向上させることを考える。フィルムを貼ったときの定常状態での板厚方向の熱通過率を,貼る前の10%まで低下させるために必要なフィルムの厚さとして,適切なものはどれか。ただし,金属板の厚さと熱伝導率はそれぞれ10mm,50W/(m・K),樹脂フィルムの熱伝導率を0.10W/(m・K)とし,金属板と樹脂フィルムの界面の熱抵抗は無視できるものとする。
①0.02mm
②0.10mm
③0.18mm
④0.45mm
⑤0.56mm
解説
[解くために必要な知識]
熱通過率をKとすると
1/K=1/α1 + d/ρ+ 1/α2
と表すことができます。
では問題を解いていきます。
流体1、流体2の熱伝達率は無視し、金属板の熱伝達性能のみを考慮する。
元々の熱通過率をK1とする
1/K1=0.010/50=0.0002
K1=5000[W/m2K]
目標とするK2は通過率を10%にすることから
K2=5000×0.1=500
1/K2=d1/ρ1+d2/ρ2
1/500=1/5000+x/0.1
X=(1/500-1/5000)*0.1
X=0.18×10-3[m]=0.18[mm]
よって回答は③となります。
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