解説:H.sin氏(機械部門)
令和4年
Ⅲ-2
長さl1 ,断面積A1,縦弾性係数E1の棒1と,長さl2,断面積A2,縦弾性係数E2の棒2を接合し,各棒に応力が生じないように剛体壁で無理なく固定した。そして,下図のように接合面に右向きの軸力Pを作用させた。このとき棒1に生じる応力σ1と棒2に生じる応力σ2の組合せとして,適切なものはどれか
①σ1=E1l1/(A1E1l2+A2E2l1)P , σ2=-E2l2/(A1E1l2+A2E2l1)P
②σ1=E1l1/(A1E1l2-A2E2l1)P , σ2=-E2l2/(A1E1l2-A2E2l1)P
③σ1=E1l2/(A1E1l2-A2E2l1)P , σ2=-E2l1/(A1E1l2-A2E2l1)P
④σ1=E1l2/(A1E1l2+A2E2l1)P , σ2=-E2l1/(A1E1l2+A2E2l1)P
⑤σ1=E2l1/(A1E1l2+A2E2l1)P , σ2=-E1l2/(A1E1l2+A2E2l1)P
解説
[解くために必要な知識]
断面積A、長さLの材料に引張力(圧縮力)Pを作用させたときに生じる応力σと材料の伸びΔL、ひずみεの関係は次の通りです。
σ=P/A
ε=ΔL/L
σ=Eεより
σ=EΔL/L=P/A
ΔL=PL/AE
では、問題を解いていきます。
棒1固定端に左向きR1の反力、棒2固定端に左向きR2の反力が発生すると考える。
棒1、2にかかる各応力は
σ1=R1/A1, σ2=R2/A2
棒1の延びは
δL1=R1l1/A1E1
棒2の延びは
δL2=-R2l2/A2E2 (圧縮方向のためR2がマイナス)
棒の全長は変わらないため
δL1+δL2=0
R1l1/A1E1-R2l2/A2E2=0
R1=(l2/A2E2)(A1E1/l1)R2
力のつり合いから反力の合計はPと等しくなる。
R1+R2=P
上記式にさきほど求めたR1とR2の関係式を代入する
R2+(l2/A2E2)/(A1E1/l1)R2=P
R2=(A2E2l1)/(A1E1l2+A2E2l1)P
R1=(A1E1l2)/(A1E1l2+A2E2l1)P
求めたR1,R2をσ1=R1/A1, σ2=R2/A2 に代入する
σ1=(E1l2)/(A1E1l2+A2E2l1)P σ2=(E2l1)/(A1E1l2+A2E2l1)P
よって回答は④となります//
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