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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R4 Ⅲ-19

解説:H.sin氏(機械部門)

令和4年

Ⅲ-19

下図は,平面内で考えた質量M・慣性モーメントIの剛体車体と,その前後に取り付けられたサスペンションをばね定数Kf,KRで表した自動車の模式図である。ただし,車体重心の(地面からの)高さをx,車体の(水平からの)傾きをθ,重心から前後サスペンション取り付け位置への距離をLf,LRとする。なおθは微小とする。

この振動系の運動方程式は以下の2式である。

 M(d2x/dt2)+Kf(x+Lfθ)+KR(x-LRθ)=0

 I(d2θ/dt2)+KfLf(x+Lfθ)-KRLR(x-LRθ)=0

 この振動系において,xとθが非連成となるための必要十分条件として,適切なものはどれか。

 

①Kf=KR

②Lf=LR

③Kf=KR かつ Lf=LR

④KfLf-KRLR=0

⑤KfL2f-KRL2R=0

 

 

解説

[解くために必要な知識]

 上下方向の運動方程式、回転方向の運動方程式を行列形式で記述する

Mx”+(Kf+KR)x+(KfLf-KRLR)θ=0

Iθ”+(KfLf-KRLR)x+(KfL2f+KRL2R)θ=0

 対角行列が0であるとき、上下動(x)と回転動(θ)を独立にする(非連成)ことが可能となる。

 

では問題を解いてみましょう。

対角行列を0とするためには -(KRLR-KFLF)=0

とすれば、右上と左下の項が0となる

 KRLR=KFLF 

よって回答は④ となります。