令和3年
Ⅲ-27
内部からの発熱量を調節できる直径1.5mmの金属線が温度15℃の水中に水平に設置されている。金属線の単位長さ当たりの発熱量を140W/mとすると、金属線の表面温度が40℃で一定となった。このとき、金属線と水の間の熱伝達率として、最も近い値はどれか。
① 7.4×102 W/(m2・K)
② 1.2×103 W/(m2・K)
③ 2.4×103 W/(m2・K)
④ 3.7×103 W/(m2・K)
⑤ 3.2×106 W/(m2・K)
解答
②
解説
[解くために必要な知識]
高温物質1と低温物質2が接触しているときを考えます。このように接触する物質間での熱の移動を熱伝達と言います。いま物質1と2の接触面積をAとし、高温側の温度をT1、低温側の温度をT2とします。また、2つの物質の状態により決定される熱伝達率をhとすると、単位面積あたりに移動する熱量(これを熱流束と言います)qは次の通りです。
q=h(T1-T2)
ただし温度は絶対温度(ケルビン)です。
物質間の熱移動を熱伝達といい、一方で物質内の熱移動を熱伝導と言います。またそれらを組み合わせたものを熱通過と言います。
詳しくは令和3年 Ⅲ-25をご覧ください。
では問題を解いていきます。
電熱線1[m]の面積Aを求めます。
A=(1.5×10-3π)×1
単位長さ(=1m)当たりの発熱量が140W/mなので長さ1mにおける面積あたりの発熱量に変換します。
q=140/(1.5×10-3π)=29.7×103
q=h(T1-T2) より
h=q/(T1-T2)=29.7×103/(313-288)=29.7×103/25
=1.19×103 //
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