令和3年
Ⅲ-21
図に示すように、質量mの機械がばね定数kのばねを介して床に固定されている。この機械に角周波数ωの正弦波状の力fが作用し、定常状態となったときに、床に伝達される周期的な力Fの振幅をfの振幅の50%未満にしたい。ばね定数の条件として、適切なものはどれか。
解答
①
[解くために必要な知識]
図21.1に示すようにmkcからなる系に周期的な強制力Fsinωtを作用させます。
このとき、
運動方程式
md2x/dt2+cdx/dt+kx=f(x)=Fsinωt
d2x/dt2+c/mdx/dt+ωn2x=f(x)=F/msinωt
ただし、ωn2=k/m
途中の計算はとばしますが、変位xと振幅aは図の通りです。
ダンパが無い場合、減衰比ζはゼロとなり、振幅は次の通りになります。
a=F/k{(1-ω2/ωn2)}
*振幅aの式は、ダンパが無い場合は覚えておきましょう。できればダンパがある場合も覚えておきましょう。
では問題を解いていきます。
質量mとばねkから構成される系に外部強制力fsinωtが作用しています。
この系における振幅は次の通りです。
a=f/{k(1-ω2/ωn2)}=fωn2/{k(ωn2-ω2)}
a=fk/{mk(k/m-ω2)}=f/{m(k/m-ω2)}
a=f/(k-mω2)
これが質点mの振幅、つまり最大変位です。変位がaに達したとき、ばねはaだけ縮んでいる(あるいは伸びている)ことになります。つまりこのときばねの力をFsとすると、Fs=kaとなります。
床面からはこのばね力に反発する力Fが発生します。
つまり
F=-ka
となります。
これが機械に作用する力fの50%未満、F<1/2fとなる条件を求めます。
F=-ka<1/2f
a=f/(k-mω2)
よって、
-kf/(k-mω2)<1/2f
-2k<k-mω2
-3k<-mω2
k<1/3・mω2 //
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