令和3年
Ⅲ-13
次の記述の[ ]に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
PID制御において、目標値と制御量の偏差に比例した操作を行うのがP制御であり、偏差の積分地に比例した操作を行うのがI制御である。PI制御は一般に[ ア ]に有効である。また、偏差の微分値に比例した操作を行うのがD制御で、PD制御は一般に[ イ ]に有効である。
① ア:むだ時間の低減
イ:応答性の向上
② ア:むだ時間の低減
イ:定常偏差の除去
③ ア:定常偏差の除去
イ:応答性の向上
④ ア:定常偏差の除去
イ:むだ時間の低減
⑤ ア:応答性の向上
イ:むだ時間の低減
解答
③
解説
[解くために必要な知識]
PIDの基本
◆P制御(Propotional:比例制御)
制御量と目標値との偏差を1次関数で制御する。P制御のゲイン値Kpを上げると立ち上がりが早くなる。P制御のみでは定常偏差が残る。
定常偏差:出力が安定したときに生じる目標値とのズレ。
◆I制御(Integral:積分制御)
偏差の時間積分に比例して出力を変化させる。I制御のゲイン値Kiを上げると定常偏差を無くせるが、オーバーシュートやアンダーシュートが出る。
オーバーシュート/アンダーシュート:目標値に対し大きく超える、あるいは下回る現象。
◆D制御(Differential:微分制御)
出力の変化量(微分値)の比例して出力を変化させる。D制御のゲイン値Kdを上げるとオーバーシュート、アンダーシュートを減少できるが、上げすぎると逆転現象が発生し不安定になる。
では問題を解いていきます。
P制御に加えてI制御を行うことで、定常偏差を除去することができます。また、D制御を行うことでアンダーシュート/オーバーシュートが減少、つまり応答性が向上します。 //
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