令和3年
Ⅲ-11
図のように伝達関数G(s)に入力u(t)を加えたときの定常出力y(t)として、適切なものはどれか。
解答
④
解説
[解くために必要な知識]
平成23年度に全く同じ問題が出ています。(Ⅳ-21)
【ラプラス変換】
代表的なラプラス変換表を図11.1に示します。
*ラプラス変換表は問題で与えられる場合も多いのですが、本問のように与えられないこともあります。余力があれば一通り覚えましょう。
【三角関数】
三角関数の合成
asinθ+bcosθ=√(a2+b2)×sin(θ+α)
cosα=a/√(a2+b2)
sinα=b/(a2+b2)
tanα=b/a
*三角関数はこれ以外にも、加法定理や倍角・半角の公式、積和の公式などは覚えておきましょう。
では問題を解いていきます。
入力信号u(t)=sint をラプラス変換します。
U(s)=L[sint]=1/(s2+1)
伝達関数G(s)とU(s)から出力関数Y(s)を求めます。
Y(s)=G(s)×U(s)=10/(s+2)×1/(s2+1)
Y(s)=2/(s+2) + (-2s+4)/(s2+1)
*この展開は部分分数分解です。
10/(s+2)×1/(s2+1)=A/(s+2)+(Bs+C)/(s2+1)
と置きます。右辺を通分して整理すると次式を得ます。
(A+B)s2+(2B+C)s+A+2C=10
よって
A+B=0
2B+C=0
A+2C=10
この3式から次を得ます。
A=2
B=-2
C=4
よって、
10/(s+2)×1/(s2+1)=(-2s+4)/(s2+1)
となります。
これを逆変換します。
y(t)=2L-1[1/(s+2)] - 2L-1[s/(s2+1)] + 4L-1[1/(s2+1)]
y(t)=2e-2t - 2cost + 4sint
定常時、つまりt→∞において、上式の第一項2e-2tはゼロになります。
よって、
y(t)=-2cost + 4sint
三角関数の合成より、
y(t)=√(22+42)sint(t+α)=√20×sin(t+α)
tanα=-2/4=-1/2 、 α=tan-1(-1/2) //
コメントをお書きください
こうせんせい (火曜日, 30 8月 2022 16:46)
ずっっっっと分からない問題でしたが理解できました!!!ありがとうございます!
このサイト神です
管理人 (火曜日, 30 8月 2022 19:44)
こうせんせい様
コメントありがとうございます。
お役に立てたようでうれしいです。
すけ (日曜日, 05 5月 2024 07:59)
1点質問があるのですが、tanα=-2/4となるのは何故でしょうか?
tanα=sinα/cosαより、tanα=4/-2になるのではと思っていました、、、。