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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R2 Ⅲ-34

令和2年

Ⅲ-34

かき混ぜた水の表面にアルミ粉末を一様に撒いて、長時間露出により水面を撮影した。この静止画像から得られる流れ場の情報として、最も近いものはどれか。

 

① 流線  ② 流脈線

③ 渦管  ④ 速度ポテンシャル

⑤ 流跡線

 

 

解答

 

 

解説

[予備知識]

定常流:時間が経過しても流量(Q=AV)が変化しない流れ。

時間経過とともに流量が変化するような流れは非定常流れという。

 

①流線

定常流において流体中の各点で流れの方向と一致するように引いた線。

 

②流脈線

ある点を通過した流体のすべての粒子がある瞬間に存在する点を結んだ線。線香の煙をある瞬間に写真撮影した物がその1例。

 

③渦管

流れの中にある閉曲線上の各点を通る渦線を引くと一つの管ができる。これを渦管と呼ぶ。

 

*渦管について補足します。

 

まず竜巻をイメージしてください。図34.1にイメージをさらに簡略化したものを示します。竜巻の渦中心はある高さの断面ごとに異なります。この渦中心を結んだ線を渦線と言います。

 渦管はこの渦線がある閉鎖空間内に複数あるものをイメージしてもらえればいいと思います。

図34.1
図34.1

④速度ポテンシャル

 3次元流れでx,y,z方向の流速(u,v,w)に大使次の関係を持つφを速度ポテンシャルという。

∂φ/∂x=u

∂φ/∂y=v

∂φ/∂z=w

 

⑤流跡線

 非定常流における流体粒子の通路のこと。

 

 

 かき混ぜた水は図34.2のように時間経過とともにその流速が小さくなります。つまり流れは非定常流であり、長時間露出によりその流体に撒かれたアルミ粉末のたどる通路を撮影して得られるものは流跡線が最も近いものとなります。 //

図34.2
図34.2