令和2年
Ⅲ-33
高度4000mの上空を磁束950kmで飛行する航空機の先端部(よどみ点)における圧力上昇として、最も適切なものはどれか。ここで、温度0℃、気圧1013hPaでの空気の密度は1.29kg/m3とし、高度4000m上空の空気の温度は4℃、気圧は632hPaとする。
① 36hPa ② 54hPa ③ 270hPa
④ 450hPa ⑤ 3600hPa
解答
③
解説
[解くために必要な知識と周辺知識]
図33.1に示すように、ある管内の流れの中にその流れに沿うように先端が丸い棒を置きます。このとき棒の先端A点では流体の速度がゼロになります。これをよどみ点と言います。
A点の圧力PAと、流体がA点から十分下流になる(速度分布が一定となる)B点における圧力PBには次の関係があります。
PA+ρgzA=PB+ρVB2/2+ρgzB
PA=PB+ρV2/2
PA+PB=ρV2/2
*以上はピトー管の原理となるものです。覚えておきましょう。
では問題を解いていきます。
問題の状態を図33.2に整理します。
圧力上昇の式は次の通りになります。
ΔP=PA+PB=ρV2/2
Rを気体定数として状態方程式は次の通りです。
pv=mRT
体積vは次式です。
v=m[kg]/ρ[kg/m3]
よって状態方程式は次のようになります。
pm/ρ=mRT
p/ρT=R=一定
地上と上空の関係性から、次式が成り立ちます。
1,013,000/(1.29×273)=63,200/[ρ×(273+4)]
よって上空における空気の密度ρは
ρ=0.79[kg/m3]
となります。
Δp=0.79×[(950×103/3600)2]/2
Δp=27506.8 [Pa] ≒270 [hPa] //
*圧力単位Paにおける接頭語のhはヘクト。102を表します。
(単位の接頭語kはキロ。103を表します。kmは103m)
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