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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R2 Ⅲ-26

令和2年

Ⅲ-26

理想気体に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 一般ガス定数は、気体の種類によらず一定である。

 

② 比熱比は、定圧比熱を定容比熱で割った値である。

 

③ 3原子分子の比熱比は、2原子分子の比熱比よりも大きい。

 

④ 温度一定の状態では、圧力と容積の積が一定である。

 

⑤ 標準状態における理想気体の容積は、気体のモル定数が同じであれば等しい。

 

 

解答

 

 

解説

①一般ガス定数をR0、ガス定数をR、ある気体の分子量をMとすると

M×R=R0=一定=8.31[J/(Kmol)]

となります。

 

②比熱比κ=cp/cv 

cp:定圧比熱

cv:定容比熱

 

なお、κはカッパーと読みます。

 

③単原子分子、2原子分子、3原子分子それぞれの比熱比はおよそ次の値となります。

単原子分子の比熱比 κ≅5/3=25/15

 2原子分子の比熱比 κ≅7/5=21/15

3原子分子の比熱比 κ≅4/3=20/15

 

④ボイルシャルルの法則より、pV=RT

Rは気体による一定の値をとるので温度Tが一定の場合、pvV=一定

 

pV=RT=nR0T

n:モル数

 

標準状態

 T=0=273K 、 p=1.013×105Pa

モル(mol)は物質量の単位で、1mol=6.02×1023個となります。

テニスボールが12個あれば1ダースですし、6.02×1023個あれば1モルになります。

 

標準状態における気体1mol当たりの体積Vは次の通りです。

 

1.013×105V=1×8.31×273

V=0.0224㎥ =22.4L

標準状態における1モル当たりの気体の体積は22.4Lで変わりありません。よってモル数が同じであれば体積は同じになります。 

 

①~⑤のうち、①、②、④、⑤は熱力学を解く上で基本的な内容になります。  //