令和2年
Ⅲ-25
図に示すようにある蒸気サイクルのT-s線図を考える。図中の番号を付した状態点i(i=1~6)の比エンタルピ―をhiとするとき、理論効率ηを表す式として、最も適切なものはどれか。
解答
②
解説
[解くために必要な知識と周辺知識]
蒸気サイクル(ランキンサイクル)
図25.1に示す用に蒸気サイクルは次のような工程をたどります。
①ポンプにより水を昇圧し、ボイラへ供給する。(1→2)
この工程は理想的には等エントロピー圧縮となります。
仕事Wpを受け取る。
②ボイラによって圧縮水を加熱し蒸発させる(2→3)
③加熱を続けて水を全て蒸発さえる(3→4)
④さらに過熱を続けて、過熱蒸気とする。(4→5)
この3つの加熱工程は理想的には等圧加熱(q1の加熱)となります。
⑤過熱蒸気をタービンに供給し、タービンを回します。(5→6)
この工程は理想的には等エントロピー膨張となります。
外部に仕事Wtをなす。
⑥復水器で冷却されて水に戻ります。(6→1)
この工程は理想的には等圧冷却(q2の放熱)となります。
蒸気サイクルの理論熱効率は次の通り。
η=(q1-q2)/q1
なお、熱サイクルを大別するとガスサイクルと蒸気サイクルに分かれます。
◆ガスサイクル
・オットーサイクル
・ディーゼルサイクル
・ブレイトンサイクル
・ブレイトン再生サイクル など
◆蒸気サイクル
・ランキンサイクル など
*上記サイクルのp-v線図、T-s線図および熱効率は覚えておきましょう。
では問題を解いていきます。
Wp=h2-h1
Wt=h5-h6
q1=h5-h2 ①
q2=h6-h1 ②
蒸気サイクルの熱効率の式と①②から、
η=[(h5-h2)-(h6-h1)]/(h5-h2)
η=[(h5-h6)-(h2-h1)]/(h5-h2) //
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