Ⅲ-10
令和2年
内径d=120[mm]、厚さt=2[mm]の薄肉の円筒状圧力容器がある。この容器に一様な内圧を加え、端部から離れた円筒部中央の外壁における円筒軸方向のひずみを測定したところ、32×10-6であった。加えた内圧として、最も近い値はどれか。ただし、材料の縦弾性係数E= 206[GPa]、ポアソン比ν=0.3とする。
①2.20 MPa
②1.10 MPa
③0.55 MPa
④0.26 MPa
⑤0.13 MPa
解答
②
解説
[解くために必要な知識と周辺知識]
◆内圧Pが作用する肉厚t、内径dの円筒形状に発生する応力
・軸方向応力
σz=Pd/4t
・軸方向ひずみ
εz=(σz-νσθ)/E
・円周方向応力
σθ=Pd/2t
・円周方向ひずみ
εθ=(σθ-νσz)/E
ただし、νはポアソン比
◆内圧Pが作用する肉厚t、内径dの球殻形状に発生する応力
・σ=Pd/4t
*それぞれの関係式は覚えておきましょう。
では解いていきます。
題意から、εz=32×10-6
εz=(σz-νσθ)/E=(Pd/4t-νPd/2t)/E
εz=P(d/4t-νd/2t)/E
P=Eεz/(d/4t-νd/2t)=4tEεz/(d-2dν)
問題文の数値を代入してPを求めます。
P=4×2×206×109×32×10-6/(120-2×120×0.3)=1,098,7 00[Pa] //
コメントをお書きください
解答ありがとうございます (木曜日, 28 4月 2022 05:47)
4×2×206×106×32×10-6/(120-2×120×0.3)=1098.7 [Pa]は
4×2×206×109×32×10-6/(120-2×120×0.3)=1098700 [Pa]ですかね。
管理人 (金曜日, 29 4月 2022 12:35)
ご指摘ありがとうございます。
GPaですので10^9ですね。私の誤りです。修正しました。
rbk (金曜日, 23 9月 2022 13:48)
解法の説明ありがとうございます。
下から6行目あたりの、題意からのあとに続く式はσではなくεの誤記ではないでしょうか。
管理人 (金曜日, 23 9月 2022 17:47)
rbkさん
ご指摘ありがとうございます。誤りでした。
早速修正しました。