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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-4

令和1年

Ⅲ-4

図に示すように、長さ4l単純支持梁にA点からlB点からl2か所の位置(C点、D点)に集中荷重Pが作用している。はりの中央(端から2lの位置)に発生するせん断力Fと曲げモーメントMの組合せとして、最も適切なものはどれか。

 

 

図4 問題
図4 問題

解答

 

解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

◆重ね合わせの原理

 はりに2つ以上の荷重が加わる場合、それぞれの荷重が単体で加わったときの結果を全て足し合わせたものになります。

 

◆集中荷重を受ける両端支持梁

 

4.1のように片端からL1の位置、C点に集中荷重Pを受ける全長Lの両端支持梁を考えます。

 

図4.1
図4.1

図に示すようにAC間(荷重点より左側)に発生するせん断力はプラス、BC間に発生するせん断力はマイナスになります。

曲げモーメントは両端がゼロ、荷重点でピークを迎えるよう線形に変化します。

 

 AC間のせん断力    F1=PL2/L

 AC間の曲げモーメントM1=PL2/Lx

ただし、xAC間の任意の位置。

 

 BC間のせん断力    F2=-PL1/L

 BC間の曲げモーメントM1=PL1/L(L-x)

ただし、xBC間の任意の位置。

 

 x=L1のとき曲げモーメントは次の最大値をとります。

 Mmax=PL1L2/L

 

では問題を解いていきます。

 

 

図4.2
図4.2

◆図4.2に示すようにC点のみに荷重が作用したとき

 端から2lの位置はCB間にあります。この点でのせん断力F1と曲げモーメントM1は次の通りです。

 F1=-P/4ll=-P/4    (1)

 M1=P/4(4l-2l)=PL/2  (2)

 

 

図4.3
図4.3

◆図4.3に示すようにD点のみに荷重が作用したとき

 端から2lの位置はAD間にあります。この点でのせん断力F2と曲げモーメントM2は次の通りです。

 F2=P/4ll=P/4    (3)

 M2=P/42l=PL/2   (4)

 

◆重ね合わせの原理からせん断力と曲げモーメントを求めます。

 F=F1+F2=-P/4+P/4=0

 

 M=M1+M2=PL/2+PL/2=PL  //