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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-33

令和1年

Ⅲ-33

図に示すように、密度ρの流体が流速V、断面積Aの噴流となって、曲面上の壁に衝突して2方向に均等に分かれている。噴流の噴出方向は曲面に沿っている。重力と粘性の影響を無視するとき、噴流が壁に及ぼす力の大きさを表す式として、最も適切なものはどれか。

 

 

解答

 

解説

[解答に必要な知識]

33.1に示すように「無限壁面に衝突する噴流」「有限壁面に衝突する噴流」「θ>90°の場合」それぞれにおける噴流が壁に及ぼす力の大きさは次の通りです。

 

 

図33.1 噴流が壁に及ぼす力
図33.1 噴流が壁に及ぼす力

◆無限壁面に衝突する噴流

F=ρQV

 

◆有限壁面に衝突する噴流

F=ρQ(V-Vcosθ)

 

◆有限壁面に衝突する噴流

F=ρQ(V-cosθ)

 

◆有限壁面に衝突する噴流

F=ρQV(1+cosβ)

 

F:壁に及ぼす力

ρ:流体密度

Q:流量

V:流速

A:噴流断面積

 

 

なお、連続の式からQ=AVであり、噴流断面が直径dの円形とするとその面積はA=πd2/4となります。

 

*図33.1の関係式は覚えておきましょう。なおこれらの式は非圧縮性・定常流における運動量の法則から導出されます。運動量の法則に関しては令和1年Ⅲ-34をご確認ください。

 

では問題を解いていきます。

問題の状態はペルトン水車の水受けと同じ状態です。ただし、図33.1における角度β=θとなります。

 

よって、F=ρAV2(1+cosθ)となります。  //