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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-29

令和1年

Ⅲ-29

無風の大気中を、新幹線が300km/hの速さで走行している。先頭車両のノーズ部分(よどみ点)における大気圧からの圧力上昇として最も近い値はどれか。ただし、空気の密度を1.2kg/m3とする。

 

① 0.10 kPa ② 0.20 kPa ③ 4.2kPa

④ 8.3 kPa  ⑤ 54 kPa

 

解答

 

解説

[解くために必要な知識]

ベルヌーイの定理

ある流体系において状態1から状態2へと変化したときに次の等式が成り立ちます。

(ρ1V12)/2+p+ρgz1=(ρ2V22)/2+p+ρgz2

 

では問題を解いていきます。

 

 

図29.1 新幹線周りの流れの状態
図29.1 新幹線周りの流れの状態

29.1に示すように、よどみ点における状態を1とします。よどみ点では流体の速度V1がゼロになります。このときの圧力をp1とします。

 

よどみ点から十分下流で大気と新幹線の相対速度が300km/hに回復した位置での状態を2とします。

この位置では速度がV2=300km/hとなり、圧力p2は大気圧、つまりゲージ圧でゼロになります。

 

密度は同じ大気のためρ1=ρ2

また、位置zにおいても、z1=z2

となるため、ベルヌーイの定理から以下が成り立ちます。

 

 

 

 p1=(ρ2V22)/2={1.2×(300×1000/3600)2}/2

 

 p1=4166.6 kPa    //