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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-22

令和1年

Ⅲ-22

図のようにU字管において密度ρ、断面積A、長さLの液柱が破線で示す静的なつり合い位置を中心に微小振動している。次のうち、この液柱の固有角振動数として、最も適切なものはどれか。ただし、gは重力加速度とし、管壁と液柱との間の摩擦は無視できるものとする。

解答

 

解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

1自由度系の自由振動の運動方程式

質量mとバネ定数kのバネとで形成される系において、質量mが自由振動している場合、その変位xを用いて、運動方程式は次のようになります。

 

 md2x/dt2+kx=0

*左辺の第一項は加速度に比例する力、第二項は変位に比例する力です。

 

このとき、この系の固有角振動数ωnは次の通りです。

 

 ωn=(k/m)

 

*以上の関係は覚えておきましょう。

 

では問題を解いていきます。

 

 

図22.1
図22.1

◆液柱の質量による力Fmを求めます。

 Fm=ma m=ρALであるので

 Fm=ρALa=ρALd2x/dt2  (1)

 

 

◆図22.1に示すような液柱の位置による力Fxを求めます。

 Fx=ρAxg-ρA(-x)g

 Fx=2ρAgx  (2)

 

(1)式は加速度aに比例する力、(2)式は変位xに比例する力となっています。よって運動方程式は次の通りです。

 

 ρALd2x/dt2+2ρAgx=0

 

 ωn=(2ρAg/ρAL)=(2g/L)   //