· 

技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-19

令和1年

Ⅲ-19

図のように、質量が無視できる3つのばね(ばね定数kakb)、及び質量mのおもりからなる系がある。このおもりは、つりあいの位置を中心に上下に振動することができる。このときの固有角振動数として最も適切な物はどれか。

 

 

解答

 

解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

ばね定数kのばねを有する質量mの運動方程式は次の通りです。

 md2x/dt2+kx=0

このときの固有角振動数ωnは次の通りです。

 

 ωn=(k/m)

 

複数のばねを有する場合、合成ばね定数は図19.1に示すように3つのパターンに分けて求められます。

 

*合成ばね定数の求め方は覚えておきましょう。

 

 

図19.1 合成ばねの3パターン
図19.1 合成ばねの3パターン

では問題を解いていきます。

 

まずこの系の合成ばね定数Kを求めます。

 

質量mの上側にkakbが直列に繋がっています。この2つの合成ばね定数をk'とします。

  k’=kakb/(ka+kb)

k'と質量mの下側にあるkaが質量mを挟み込む形となっています。よって全体の合成ばね定数Kは次の通りです。

 K=k’+ka=kakb/(ka+kb)+ka=ka(ka+2kb)/(ka+kb)

よって問題の系における固有角振動数ωnは次の通りです。

 

 ωn=(K/m)=[ka(ka+2kb)/m(ka+kb)]    //