令和1年
Ⅲ-10
平均内圧d=370mm、肉厚t=2.5mmの薄肉円筒圧力容器に内圧p=3.0MPaが作用するとき、容器の両端から十分離れた円筒部分に生じる円周方向応力σθと軸方向応力σzの組合せとして、最も適切なものはどれか。
① σθ=111 MPa 、 σz=55.5MPa
② σθ=444 MPa 、 σz=222 MPa
③ σθ=222 MPa 、 σz=111 MPa
④ σθ=111 MPa 、 σz=222 MPa
⑤ σθ=55.5MPa 、 σz=111 MPa
解答
③
解説
[解くために必要な知識と周辺知識]
図10.1に示すように円筒形状の容器に内圧が作用するとき、容器には円周方向応力σθ、軸方向応力σz、および板厚方向応力σrが生じます。
ただし、円筒の直径dに対し板厚tが小さい薄肉円筒では板厚方向に生じる応力は無視できます。
このときの円周方向応力σθ、軸方向応力σzはそれぞれ次の通りです。
σθ=Pd/2t
σz =Pd/4t
また、このときに生じる円周方向と軸方向それぞれのひずみεθとεzはそれぞれ次の通りです。
εθ=1/E(σθ-νσz)
εz =1/E(σz -νσθ)
図10.1に合わせて示すように内圧を受ける球殻形状の場合は、生じる応力σは次の通りです。
σ=Pd/4t
*円筒形状とあわせて球殻形状の応力も覚えておきましょう。
では問題を解いていきます。
σθ=Pd/2t=3×370/(2×2.5)=222
σz =Pd/4t=3×370/(4×2.5)=111 //
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