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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-1

令和1年

Ⅲ-1

図に示すように、段付き丸棒の上端を天井に固定して鉛直に吊り下げた状態で、下端に軸荷重Pが作用するときに、段付き丸棒に蓄えられる弾性ひずみエネルギーUとして、最も適切なものはどれか。ただし、太い丸棒の直径を2d、長さをl、縦弾性係数をEとする。なお、段付き丸棒の自重は考慮しないものとする。

 

 

 解答

図1
図1
図1.1
図1.1

解説

[解くために必要な知識]

1.1に示すように断面積A、長さL0の材料に引張力を与えたときに長さがΔL伸びてLになったとします。

 このとき発生する応力σ、縦ひずみε(イプシロン)、は次の通りです。

  σ=P/A [N/mm2]

  ε=(L-L0)/L0=ΔL/L0 

 また、男性領域にある場合、応力と垂直ひずみエネルギーの間にはヤング率を用いて次の関係があります。

  σ=Eε

 よって

  P/A=EΔL/L0

  ΔL=PL0/AE

 

 さらに、この材料に蓄えられる垂直ひずみエネルギーUは次の通りです。

  U=PΔL/2=P2L0/2AE

 

 では解いていきます。


 細い棒と太い棒とに分けて考えていきます。

U=P2L0/2AEより、長さl、直径dの棒に引張力Pがかかったときに内部に蓄えられる垂直ひずみエネルギーU1は次の通りです。

 U1=P2l/2A1E=P2l/2(πd2/4)E=2P2l/πd2E

 

 同様に直径2dの棒に蓄えられる垂直ひずみエネルギーU2は次の通りです。

  U2=P2l/2A2E=P2l/2[π(2d)2/4)E=P2l/2πd2E

 

 全体の¥に蓄えられるひずみエネルギーはU1U2を加えたものです。

 

  U=U1+U2=2P2l/πd2E+P2l/2πd2E=5P2l/2πd2E  //