電気自動車は環境に本当に良いのか?というふとした疑問から、電気自動車の二酸化炭素排出量とガソリン車の二酸化炭素排出量を計算・比較してみました。
※電気自動車とガソリン車それぞれの製造工程における二酸化炭素排出は考慮していません。
[発電での二酸化炭素排出量]
まずは発電で発生するCO2として関西電力さんのこちらのサイトを参考にさせて頂きます。
➡原子力発電の位置づけ|原子力発電について|エネルギー|事業概要|関西電力
備・運用に関する二酸化炭素発生量と発電燃料燃焼に関する発生量を合わせたものを抜き出してみます。
石炭火力➡943g/kWh
石油火力➡738g/kWh
LNG火力➡599 g/kWh
LNG火力(コンバインド)➡474 g/kWh
ここでは石油火力の排出量738g/kWhを使って試算していきます。
[電気自動車の二酸化炭素排出量]
日産リーフのカタログを見ると電池容量62kWh、航続距離458km(WLTCモード)とあります。ここからまず1kWh当たりの航続距離を計算します。
458÷62=7.39km/kWh ①
次に石油火力発電における二酸化炭素排出量と①から1km走行時の二酸化炭素排出量を計算します。
738[g/kWh]÷7.39[km/kWh]≒100g/km
以上から、1km走ると約100gの二酸化炭素が排出されることが分かりました。
*注意
ここでは発電所から給電ポイントまでの送電ロスや充電されたバッテリーからの自己放電、バッテリー劣化、エアコンなど走行以外の電気系統の使用などの影響を考慮していません。
[ガソリン車の二酸化炭素排出量]
環境省のHPにある資料を参考にガソリン車の二酸化排出量を2.322kg/Lとします。この数値をガソリン車の燃費で割ると1km走行当たりの二酸化炭素排出量が計算できます。
参考資料➡資料4 燃料別の二酸化炭素排出量の例 (env.go.jp)
(PDFファイルが開きます。)
ガソリン車の燃費を10km/Lとします。
2.322÷10≒0.2322kg/km=232.2g/km
ガソリン車の燃費が15km/Lの場合
2.322÷15≒0.1548kg/km=154.8g/km
ガソリン車の燃費が20km/Lの場合
2.322÷20≒0.1161kg/km=116.1g/km
以上から、現状ではガソリン車の燃費が20km/Lを超えてくると電気自動車よりも二酸化炭素の排出量が同等程度以下になりそうです。
私は2011年に購入した日産ラフェスタハイウェイスターに載っていますが、実燃費としては10km/L程度です。
この燃費であれば電気自動車に乗り換えた方が二酸化炭素排出量は減り、環境負荷を低減することになると言えるかと思います。
ただし最初に書いたようにこれは、電気自動車とガソリン車それぞれの製造工程における二酸化炭素排出は考慮していないものになります。
電気自動車の中でも特にバッテリーの製造には多大なエネルギーが必要と言われています。その分を考慮すると結果は異なるものになる可能性があります。そこはまた調べて整理できたらアップします。
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