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自動化のためにセンサーを使おう!デジタル信号スイッチ編

◆デジタル信号センサーを扱えるようになろう!

◆信号種類の確認 アナログ信号とデジタル信号

ワークの流れをフローチャートの形で表しています。
ねじ締め機のフローチャート例

自動ねじ締め機のフローチャートを見てみましょう。

スタートしてすぐにワーク到達在荷センサーでの判定があります。

その後の処置、ワークリフト上昇、ストッパ下降、などそれぞれの作業の完了未完了を機械はどのように判別すればよいのでしょうか?

 

センサーを使います。センサーは大別してデジタル信号センサーとアナログ信号センサーがあります。

 

デジタル信号の出力は飛び飛びの波形になります。
デジタル信号出力波形

デジタル信号の出力パターン:ON/OFF、0/1信号

アナログ信号の出力は連続した数値です。
アナログ信号出力波形の例

アナログ信号の出力パターン:連続した数値信号

 

ここでは以降、

デジタル信号を出力するものをスイッチ

アナログ信号を出力するものをセンサー

と言葉を使い分けることとします。

 

まずはデジタル信号の扱いをマスターしましょう。

アナログについてはまた別の機会に。

 


コンベア上をワークが流れて自動ねじ締め機前で停止、ねじ締めを行う装置外観です。
自動ねじ締め機の外観

◆デジタル信号を扱う光電スイッチの使い方

ワークの有無確認によく使用されるスイッチに光電スイッチがあります。

図1.1に示すように投光機と受光機に分かれて投光機のからの光(レーザー光など)を受光機が感知しています。(ON状態)図1.2に示すように、この投光機と受光機の間にワークが送られてくると光が遮られてしまいます。(OFF状態)

 

投光機と受光機の間にワークが来ると光が遮られてスイッチオフになります。
光電センサー:透過型スイッチ

図1.1 スイッチON状態

図1.2 スイッチOFF状態


図2に示すように、光電スイッチには投光と受光が一体になった回帰反射型もあります。

投光機と受光機が一となっており、反射板に投光し返ってきた光に反応するスイッチ。
図2 回帰反射型スイッチ

図3のように反射型にはワークからの反射を受光する拡散反射型もあります。

ワークに当てた光の反射に反応するスイッチです。
図3 拡散反射型スイッチ

他にも物理的な接点を持つリミットスイッチ、非接触で検知可能な近接スイッチなどがワーク有無確認によく利用されます。

物理的な接点を持つリミットスイッチと非接触で検知可能な近接スイッチです。
図4 リミットスイッチと近接スイッチ

◆各スイッチの特徴一覧

[透過型光電スイッチ]

〇非接触、応答速度が速い、検出距離が長い、不透明なら材質問わず検出可能

×光軸合わせが面倒くさい。特に設備立上調整時は「機械が止まった!なんでだ!!光軸ずれてる!!!」ということがしばしば起こる。

 

[回帰反射型光電スイッチ]

〇透過型と比べて光軸合わせが楽、反射板は省スペース設置可能、省配線

×受光、投光、どちらかが壊れると全交換になる。透過型に比べて検出距離が短い。

 

[拡散反射型]

〇ワークまでの距離、ワークの色なども判別可能、省スペース、光軸合わせ不要、省配線

×距離や色などを判別させるための設定が一手間必要。

 

[リミットスイッチ]

〇調整が簡単、アタッチメントのバリエーションが豊富で使い分けがしやすい

×物理的な接点のため繰り返しによる摩耗劣化がある。

 

[近接スイッチ]

〇非接触で検知可能、光電スイッチと比べて設置自由度が高い(光軸を考えなくてよい)

×磁性体か非磁性体かなど材質により検知可否、検知距離が変わる。

 

◆私が設計するときのスイッチ選定順序

1.まず透過型光電スイッチを使うことを考えます。

2.スイッチの配置スペースに問題がある場合、ワーク材質が金属であれば近接スイッチを使うことを考えます。

3.樹脂などの近接スイッチで検出できない、検出しづらい、材質の場合は回帰反射型を検討します。

4.反射板を置くスペースもないです!あるいは距離や色検知したい!という場合は拡散反射型を検討します。

5.リミットスイッチは、ワークのオーバーラン検知などの異常検知のために使用します。

 

さて、ワークの確認に絞って解説しましたが、ON/OFFスイッチには他にも・・・

 圧力スイッチ 一定の圧力を超えたらONになる。

 真空スイッチ 一定の負圧になったらONになる

 フロースイッチ 一定の流量になったらONになる

 そのほか、温度や光量などいろいろなスイッチがあります。

◆スイッチの配線NPN型とPNP型

いろいろなスイッチを見てきましたが、いずれもデジタル信号には2種類あります。PNPとNPNです。

それぞれの使い方、配線について確認します。図5を覚えておけば完了です。

 

スイッチからの信号はシーケンス処理による自動制御のためにPLCなどの制御機器に入力して使用します。この制御機器にも2種類あります。プラスコモンとマイナスコモンです。

 制御機器がプラスコモンの場合は NPN型を使います。・・・(1)

 制御機器がマイナスコモンの場合はPNP型を使います。・・・(2)

 

かつての日本では(1)の組合せが主流でした。海外では(2)の組合せが主流です。なぜか?後述しますが、そちらの方が安全だからです。このため日本でも今は(2)の組合せが主流となっています。かつての日本ではぜ(1)が主流だったかは分かりません。

*安全については後述

 

デジタル出力のスイッチは茶(+)・青(-)・黒(信号)の3本の配線があります。それぞれの配線は図3の通りです。昔のスイッチは赤(+)・黒(-)・白(信号)の3本でした。古い設備を取り扱う場合は注意が必要です。

 

NPN型の場合はプラスコモンとPNP型の場合はマイナスコモンと組み合わせます。
図5 スイッチの配線

◆NPN型とPNP型との安全性の違い

最後に配線の違いによる安全性を確認しておきます。

図6に示すようにセンサーからPLCに信号を送る線線が短絡(ショート)してしまった時を考えます。

NPN型では通電してセンサーがONになったと判断し、PNP型では電気が遮断されてセンサーがOFFになったと判断する。
図6 信号線が短絡した場合

プラスコモンとNPNの組合わせの場合、電源+からPLCを通って短絡先に電気が流れてしまいます。この時PLCはスイッチ信号が入力されたと認識してしまい、動作してしまいます。

マイナスコモンとPNPの場合は電源-からPLC、短絡先に繋がるため電気は流れず信号は入力されません。

 

次回はアナログ信号変換について解説します。

前回は雑談、youtubeで文字起こしする方法を解説しています。

 

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