電磁弁の解説です!
本題の前に
電磁弁はソレノイドバルブとも言います。ソレノイドとはコイルの一種で3次元形状のコイルを指します。3次元形状のコイルとは一般定なばねの形をイメージしてもらえればokです。ばね上のコイルの中に磁石を入れて、コイルに電気を流すと磁石が動くという実験の覚えがある方も多い方思います。一方、2次元形状のコイルとはゼンマイ状、蚊取り線香みたいな形のコイルです。
電磁弁とエアシリンダー① ではエアシリンダーについて解説をしました。
ここではエアシリンダーを動作させるためにエアを供給したり排気したりを自動で切り替えるための電磁弁について解説を行っていきます。
電磁弁とエアシリンダーとの組み合わせについては電磁弁とエアシリンダー③で解説しています。
電磁弁は電気信号を受けて弁を開閉する機器です。電気信号はPLCなどの制御機器からの指令として受けます。
さてその電磁弁。これもまた様々な種類がありますので順にみていきます。
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①駆動方式
◆直動型
弁を電力のみで開閉させるタイプ。
シングルソレノイド
電磁弁が一つ付いていて、電気を流すと弁が開き、1番(Pressure)ポートから2番(Actuator)ポートにエアが流れます。
電気を遮断するとばね力で弁が閉じ、1番(Pressure)ポートから2番(Actuator)ポートが遮断されます。
ダブルソレノイド
電磁弁が二つ付いていて、一方に電気を流すと弁が開きます(もしくは閉じる)。
電気を切り替えて、もう一方に電気を流すと弁が閉じます(もしくは開く)。
ダブルソレノイドでは電気信号が両方オフになると直前の位置を保持します。
逆に両方をオンにしてしまうと故障の原因になってしまうので要注意です。
◆パイロット式
弁(主弁)をエアで開閉させるタイプ。
主弁を開閉するためのエア供給を電磁弁で制御します。
内部パイロット式
電磁弁の1次エア供給をメインの流路から分岐させて接続するタイプ。
外部パイロット式
電磁弁の1次エア供給を別系統で接続するタイプ。
②方向性 ポート数
◆2ポート
ポートつまり配管接続口が2つある(PとA)タイプです。
1番ポート P(Pressure) : エア源からの配管を繋ぎます。いわゆる一次側圧力。
2番ポート A(Actuator) : 電磁弁がonの時、エアが供給されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
◆3ポート
ポートつまり配管接続口が3つある(P、A、B)タイプです。
1番ポート P(Pressure) : エア源からの配管を繋ぎます。いわゆる一次側圧力。
2番ポート A(Actuator) : 電磁弁がonの時、エアが供給されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
3番ポート R(Return ) : 排気ポート
◆4ポート
ポートつまり配管接続口が3つある(P、A、B、R)タイプです。
1番ポート P(Pressure) : エア源からの配管を繋ぎます。いわゆる一次側圧力。
2番ポート B : 電磁弁がonのとき3番と繋がり排気されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
3番ポート R(Return ) : 排気ポート
4番ポート A(Actuator) : 電磁弁がonのとき1番と繋がりエア供給されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
◆5ポート
ポートつまり配管接続口が5つある(P、A、B、R、R)タイプです。
動作は4ポートと同じです。4ポートと比べて製造が容易なため、5ポートの方が一般的です。
1番ポート P(Pressure) : エア源からの配管を繋ぎます。いわゆる一次側圧力。
2番ポート B : 電磁弁がonのとき3番と繋がり排気されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
3番ポート R(Return ) : 排気ポート
4番ポート A(Actuator) : 電磁弁がonのとき1番と繋がりエア供給されます。アクチュエータへ配管を繋ぎます。
5番ポート R(Return ) : 排気ポート
③ポジション
ここまでの説明はすべて2位置タイプ、つまりonーoffの2位置があるものでした。
3位置は文字通りonー中間ーoffの3位置があります。
ダブルソレノイドタイプでは片側通電でon状態、反対側通電でoff状態を作ります。
3位置タイプではこれにさらに、両方を電気遮断で中間位置を作り出します。
3位置タイプは内部構造(中間位置の構造)で3種類に分かれます。
それぞれ順に解説していきます。
◆3位置 クローズドセンタ
中間位置でアクチュエータへのエアの給排気が停止されるます。
このためアクチュエータ受圧面積のバランスで徐々に動作もしくは一時停止します。
ロッド付きシリンダでは押出側の受圧面積が引込側に比べて大きいため押出側で保持します
長時間放置すると徐々に圧力が抜けて保持力が弱くなっていきます。
精度は求めないけれど、一時停止させたいときに使用します。
◆3位置 プレッシャセンタ
中間位置でアクチュエータの全ポートへエアが供給されます。
アクチュエータ受圧面積のバランスで徐々に動作もしくは一時停止します。
ロッド付きシリンダでは押出側の受圧面積が引込側に比べて大きいため押出側で保持します。
あるいはロッドレスなど両側の受圧面積が同一の場合は一時停止します。
圧力をかけ続けるため、保持力が低下することがありません。
◆エキゾーストセンタ
排気が解放されます。
これによりアクチュエータがフリーになり、手動などの外力で動かせるようになります。
非常時の安全対策などで、圧力を抜きたいときに使用します。
本記事の一部を動画で解説しています。ご参考まで。
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