【自動化レベル】
自動化を進めるにあたって重要なことはまず現状を正しく把握することです。次にどこまで自動化するのか目標を定めて、必要な技術を利用するという順です。
ここで現状を正しく把握し、目標を定め、必要な技術を利用するにはどのようにすればよいのでしょうか?一つの指標として、現場の自動化をレベル0~5に分けました。
いま、図1に示すように工程1で部品を仮組立、工程2で治具を使った圧入で固定、工程3でさらに部品を仮組立、工程4でねじ締め固定、最後に工程5で目視による外観検査を行うラインの自動化レベルを考えます。
図1 作業イメージ図
◆レベル0 自動化無し
すべての作業を機械(動力を備えた器具)の力を借りずに人が行う。
◆レベル1 作業支援
人が行っている作業を電気や空圧の力を借りて行う。例:組立工程の中の一つ、ねじ締め作業を電動ドライバーで行う。
レベル1達成には電動機や空圧機器などの機械に関する知識と経験が必要となる。
◆レベル2 部分作業自動化
PLCなどのコンピューターを利用して一部の工程を自動で行う状態を指す。例:3軸ロボットに電動ドライバーを組合わせてねじ締作業を自動で行う。
レベル2達成には主にPLCなどの制御機器に関する知識と経験および作業者のノウハウの標準化、数値化が必要となる。
◆レベル3 工程自動化
材料搬送から完成までの一連の工程を自動化する。例:コンベアで各工程を接続しワーク(加工・組立対象)を自動で流し加工組み立てを行う。
レベル3達成には電動機、空圧機器などの機械とPLCなどの制御機器を組合わせて応用する技術が必要となる。
◆レベル4 高度自動化
自動化された工程の情報(進捗や作業結果など)を工場全体で自動共有し見える化を行う。
レベル4実現にはセンシングや通信技術などのデータ収集技術とデータ分析の知識と経験が必要となる。
◆レベル5 完全自動化
自動取得したデータと稼働状況から生産指示を工場が自律的に行う。
レベル1から4までの知識、経験全てを組合わせて応用する技術が必要となる。
ここで各レベルの定義、大分類および到達に必要な技術を表1にまとめました。
レベル1,2は手作業を機械に置き換えるという意味で特に「機械化」と定義しています。
レベル3,4は材料ハンドリングから製造までを一貫して自動で行うという意味で特に「自動化」と定義しています。
レベル5はある程度の判断や指示を工場内の機械・システム間において自動で行うという意味で特に「自律化」と定義しています。
自動化を進めるためにまずはレベル0から5の定義を確認し、自社あるいは工場のレベルが現状いくつで将来はどのレベルを目指すのか、現状把握と目標設定を行ってみてはいかがでしょうか。
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